• Nov
  • 02
  • 2008

『素晴らしい世界』(浅野 いにお 著)を読んだ

1980年生まれの若手漫画家、浅野いにお。自分より後に生まれた人のマンガを面白いなと思って読むことなんてしばらく前までは想像できなかった。なお、この前の『聖☆おにいさん』の中村光も1984年生まれの若手。

この作家の書いている『おやすみプンプン』というマンガがものすごく気になっていたのだけれど、その前に短いやつで味見しようとこれを買った。

生きていればそのうちいいことがあるよというテーマの短編で紡いでいく。

それぞれの短編は独立していて、主人公もちがう。でも、それぞれの話は、とてもゆるーく物語に影響がない程度にリンクしていて、それがまた世の中の狭さを感じさせて面白い。

色々辛いことがあるけれど、ちょっとしたことが転機になってなにかが変わる気がする、というような誰しも体験するあたりまえのストーリーをとてもリアルかつスマートに描いている。勢いで何となく音楽学校を辞めてしまった女の子や、クラスでいじめの標的にされている小学生の女の子、居場所のなさを感じる2浪目の予備校生3人組。どれも身近にいそうな人だったり、もしかしたら自分ではなかったかと、ついつい移入してしまう。

読んでハッピーになるような話でも、腹を抱えて笑い転げられる話でもないけれど、これはいい話だからと人にすすめられそうな一冊。


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