• Oct
  • 26
  • 2008

『その絵、いくら? 現代アートの相場がわかる』(小山 登美夫 著)を読んだ

行く末は週末アーティストにという密かな野望を抱くものとして、とても興味を引かれる本。

素人にはどうして何億円にもなるのか理解しがたい現代アートの価格。文字通りその価格の決まる背景に迫った本。

忘れがちだけれど、たいていの場合、アーティストは生活のためにアート作品を作っている。そのアート作品を売るギャラリーも、作品の売り上げによって経営を成り立たせている。現代アートにはまぎれもなく経済的な側面があるのだ。

この本では、ギャラリーが絵を売る際に決める価格「プライマリープライス」と、オークションなどで取引される際の価格「セカンダリープライス」を中心に解説している。

オークションで何億という高値がついたからといって、それがそのままアーティストの懐に入るわけではないが、高値がついたという事実によって、ギャラリーで取り扱う際の価格も上げなければならなくなる。

こづかいを貯めて作品を買っていたような人が買えなくなる一方で、人気が出たということで転売目的の購入や投機の対象になってしまったりもする。そういった転売目的の客を見極めるギャラリーの苦労や、安く売りたくてもそれが許されないアーティストの心境なども浮かんでくる。

そういった現代アートを取り巻く状況を、村上隆や奈良美智の作品をいち早く扱ったことで有名な著者が、経済的な側面を通じて分かりやすく解説してくれる。

これからアート作品を買おうと思っている人はもちろん、アートで生計を立てたいと思っている作家などにもお勧めしたい一冊だ。


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