• Sep
  • 26
  • 2008

『こころ』(夏目 漱石 著)を読んだ

夏目漱石の『こころ』(文庫)が、大貫デザインによる新装版になっていたので買ってみた。読むのは中学生以来だ。

ものすごく平たく言えば3角関係の話かな。

1914年(大正3年)の作であるというから、古典と言ってもいい作品だろうけれど、今も色褪せない不朽の名作である。

確か『こころ』を初めて読んだのは、中学の夏休みの頃で、読書感想文の課題図書だったとかそういうくだらない理由だったと思う。

これを読む前はマンガばかり読んでいて、小説はせいぜい赤川次郎くらいしか読まなかった。でも『こころ』を読んで純文学面白すぎると思って、太宰治とか安部公房とか芥川龍之介とかを読むようになって、村上龍とか村上春樹とか最近の作家も読むようになった。あいかわらずマンガも読んでいるけれど、小説以外の活字も面白いと思えるようになるきっかけになったありがたい小説である。

ストーリーを新潮社のサイトから引用すると、

友情と恋の、どちらかを選ばなくてはならなくなったら、どうしますか……。
鎌倉の海岸で、学生だった私は一人の男性と出会った。不思議な魅力を持つその人は、“先生”と呼んで慕う私になかなか心を開いてくれず、謎のような言葉で惑わせる。やがてある日、私のもとに分厚い手紙が届いたとき、先生はもはやこの世の人ではなかった。遺された手紙から明らかになる先生の人生の悲劇――それは親友とともに一人の女性に恋をしたときから始まったのだった。[ 夏目漱石『こころ』|新潮社]

という感じである。

3部構成で、1部は主人公「私」と彼の慕う「先生」の出会いと日常を描いた「先生と私」、2部は私と母親や病気の父親との関係を描く「両親と私」、3部は先生が過去を告白する遺書「先生と遺書」である。

なんといっても、友人を裏切って恋人を手に入れた“先生”の告白が綴られた遺書(3部「先生と遺書」)が衝撃的で、前回読んだときに印象に残って覚えていたのはほぼこの「先生と遺書」だった。

今回読み直してみて、1部「先生と私」、2部「両親と私」も“私”の置かれた状況と“先生”の考えの裏にあるものなんかが読みとれるようになっていて面白かったけれど、やはり3部「先生と遺書」が衝撃だった。

読書感想文を書かなければならなかった前回は気付かなかったけれど、終わり方はやや不自然で、つづきがありそうな感じだけれど、これで良かったのかもしれない。


文学の醍醐味を味わいたい人におすすめの一冊。


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