- May
- 16
- 2008
最近読んだ本。その6『反自殺クラブ―池袋ウエストゲートパークV』(石田 衣良・著)
ぼちぼち読み始めた、大量に仕入れて読んでなかった本。第6弾。知らないうちに文庫化されていた『反自殺クラブ―池袋ウエストゲートパークV』。
あいかわらずテンポ良くさっくり読めて楽しい。池袋はなじみ深いので、描かれた舞台が具体的に想像できるぶん余計に楽しいのかもしれない。
4編収録されていて、まずは「スカウトマンズ・ブルース」。
スカウトした風俗嬢のギャラのキックバックで年収2000万を稼ぎ、美女たちは彼にスカウトされて働くのを至福に思っているという、まるで神のようなスカウトマン、タイチの話。個人的には結構好きな話だったけれども、あっさりしたストーリー展開で少々物足りなさも残る。ただ、舞台が東口5差路のあたりなところに、どういうわけかとても新鮮味を感じたりもする。
次が「伝説の星」。
忘れられかけた往年のスター・シンガーと不動産詐欺の話。なかなか良くできた話で「スカウトマンズ・ブルース」のあとに持ってきている(出誌順だけど)のも納得。IWGPシリーズではあまり見かけない(気がする)展開がとても新鮮。歌を聴いてみたい。
その次が「死に至る玩具」。
おもちゃメーカーと中国の工場労働者の話。低賃金で過酷な労働を強いられる中国の工夫たちと、人気の人形を買うために行列を作る日本人のコントラストが痛々しい。初の海外進出かと思いきやそんなことはなかった。中国人女性がヒロインだからなのか、しっとりした雰囲気も感じられる。
最後が表題にもなっている「反自殺クラブ」。
自殺サイトで呼びかけられる自殺希望者の集まりに潜入し、集団自殺を止める“反自殺クラブ”が、自分は死なずに自殺の手引きだけを行う“スパイダー”を追うという話。重いテーマだけれど、その分読み応えもある。涙がにじむ。
全体を通して心地よい読み応えの一冊。
オムニバス形式の小説だけれど、基本設定を知るために池袋ウエストゲートパークを、読んでおこう。
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おすすめ度:
4.0
明るく・軽く、週刊誌ののりで、現代の恥部や暗部
4話それぞれのおもしろさ
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- 23:59
- Auther
- ken
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