• May
  • 24
  • 2008

最近読んだ本。その9『カンバセイション・ピース』(保坂 和志・著)

ぼちぼち読み始めた、大量に仕入れて読んでなかった本。第9弾。正確には数年前に買ってちょっとずつ読んでいてぜんぜん読み終わらなくて本棚にしまい込まれていたのをひっぱりだしてきた小説(単行本)。

平凡な日常を哲学的な空気をふんだんに含んだ文体で淡々と綴りながらしかしドラマチックに綴る魅力的な作品。帯にも書いてあるけれど、小津安二郎の映画のような小説。

また、佐内 正史のカバー写真がとてもいい。


そして猫がいい。主人公の飼い猫が何匹か出てくるんだけれど、その猫を媒介にして登場人物の心情みたいなものが描かれている感じ。読み終わった時の印象は、猫の小説(もちろんいい意味で)。

数年がかりで読んだだけあって、所々をおぼろげにしか思い出せないけれど、主人公は小説を書く人で、横浜ベイスターズ好き。何度か横浜スタジアムのシーンが出てくる。一緒に野球を観ている友人・大峯のだらだらしたヤジが面白かったのを覚えている。
横浜の4番はローズで、大峯が紙コップをくりぬいたメガホンで突然、安室 奈美恵の「SWEET 19 BLUES」(ローズが大好きな歌らしい)を歌うところが、どういうわけか印象に残っていたりする。

小説の大半は、主人公の住む世田谷の家が舞台だ。伯母が亡くなってそこに住んでいる主人公とその妻、姪、空いた部屋を事務所として間借りしている3人の男女と、野球を一緒に見に行く友人が主な登場人物である。主人公が日々を暮らし、見たり聞いたり考えたり話したりした様々な出来事が語られていく。

ハリウッド映画のような盛り上がりもなく、サスペンスもないただの日常が、主人公の小説家らしい論理的、あるいは哲学的思考のフィルターを通されることで、全体として(眠くはなるものの)いい雰囲気で、時折スリリングですらあるのが不思議だ。

面白い小説だというのは間違いないけれど、どこが面白いのか説明するのは難しいぞ、という一冊。


文庫のデザインはいまいちなので、ぜひ単行本を。

カンバセイション・ピース
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おすすめ度:4.04.0
2 短編だったら、、、
4 横浜ベイスターズファンはフムフム読めるはず
5 やっぱり、小説の方が上
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保坂和志さんの、小説を書くという冒険。[ほぼ日刊イトイ新聞 - カンバセイション・ピース。]

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