• Aug
  • 30
  • 2007

『フェルマーの最終定理』(サイモン・シン/青木薫 訳)を読んだよ


フェルマーの最終定理 (新潮文庫)


フェルマーの最終定理は、350年間ものあいだ誰にも証明できなかった数学の問題。新潮文庫の100冊の中にあまり似つかわしくないのを見つけたと思って買った。
フェルマーという数学者が本の余白に残した"メモ書き"が、こんなドラマを生むとはね。

そもそも自分は美大出身だから、今でこそ必要にかられて初歩的な数学や物理学をかじろうかとも思うけど、美大の入試なんてデッサンと色彩構成ができればいいので、数学はろくすっぽやってない。代数の計算はかなり苦手だし、微分積分も忘れた。

この本のすばらしいところは、全く数学が分からなくても、この定理の証明にまつわる歴史やその背景にあるドラマを臨場感たっぷりに描いていて楽しみやすいところ。
ハリウッド映画みたいに設定として「数学」があるだけで、主題は実は背景の人間ドラマやスペクタクル(?)という印象。著者のサイモン・シンという人は、物理学出身のテレビマンだそうで、なるほど人を楽しませるコツを知ってるなと。

で、フェルマーの最終定理というのは、17世紀の数学者フェルマーが、数学書『算術』の余白に「私はこの命題の真に驚くべき証明を持っているが、余白が狭すぎるのでここに記すことはできない」と書いたことに始まる。命題はピュタゴラスの定理をちょいちょいといじっただけの簡単なもので、中学生でも理解できるようなもの。賞金がかかったりしたので、素人数学者など、たくさんこの問題にチャレンジした。けれども、それを証明するとなるととても難しく、350年後の現代(1994年)にアンドリュー・ワイルズによって証明された。

内容はこの証明に至るまでの流れを、紀元前6世紀のピュタゴラスの時代までさかのぼって、この問題の発祥から、「もうとけないかも知んないなコレ」ってのを経て、現代に至るまでの壮大な数学史(フェルマーの最終定理にまつわる歴史だけど)をたどって読ませる。

けれども、素人にもできる限りやさしく伝わるように専門的な計算式などほとんどでてこない。数学に興味ない人でもまかり間違って「ディオファントスの『算術』読みてえな」とか思いそうなくらいすんなり入っていける本。


フェルマーの最終定理 - Wikipedia

via. [Life is beautiful: 血沸き肉踊る数学ドラマ、フェルマーの最終定理]
via. [404 Blog Not Found:フェルマーのなぞなぞ]

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