- Mar
- 22
- 2006
見てきた。Yチェアのペーパーコードの張替え実演

shさんと、Yチェアのペーパーコードの張替え実演を、ほんとうに見に行ってきた。
秋葉原に行くのは久しぶりで、つくばエクスプレスが出来たためにキレイになった駅には驚いて、しかもちょっと迷ったw。
実演が始まるまでに少々時間があったので、街頭テレビでWBCをたくさんのギャラリーに混じって観た(画面は見えなかったので“聴いた”か)。世界一おめでとう。
ヤマギワリビナ本館というところは、想像以上に良さげな家具が並んでいて、家を買ったらこういう家具を使ってみたいと思わせる。隣のONODEN Life Storeには失笑だが、リビナはなかなかよい。秋葉原にあるのがちょっと不思議ではあるけれど。
さて、張り替えはというと、ちょっと良いものを見たという感じで、野球そっちのけで来たかいがあった。(実演前に CARL HANSEN & SON JAPAN K.K.[カール・ハンセン&サン ジャパン]から来た女性の方が、野球の結果も教えてくれた。ありがとう。)
Yチェアは、無垢材のフレームにペーパーコードの座面といった作りになっている。このペーパーコードは非常に丈夫ながら、長年使っていると摩擦によって劣化したり、なかには切れてしまうものもある。
これをカール・ハンセンで張り替えてくれる。
「ペーパーコードが切れてしまった。さぁ新しいのを買いましょう」とならないのは、長年愛され、生産され続けているYチェアならではと言えばそうである。僕などはそこに、「『優れたデザインはいつまでも優れたデザインでありつづける』という誰かの言葉の真実を見た」とか思ったりするけれど、大事なのは、なにより「気に入ったものがいつまでも使い続けられる」ということだ。
座面の張り替えはものの一時間足らずで終わっただろうか。
ペーパーコードを5mくらい取って(職人によって長さが異なるらしい)、フレームに巻き付けていく。「ギュッギュッ」という音が聞こえるくらいきつく巻いていく。コードが足りなくなったところで、新たなコードを継ぎ、どんどん巻いていく。これをずーっと繰り返す。
コードを継ぐときに「機結び(はたむすび)」という、僕らにはなじみの薄い不思議な結び方をする。縫い物や編み物の糸継ぎなどの際に使う結び方らしい。
前の会社にいた頃に、よく各地の職人の取材に同行したが、皆自分だけの道具という物を持っているのが印象的だった。このYチェア張替職人さんも多分に洩れず、専用の椅子の固定台、生け花用のはさみなどを使っていた。
コードの張り替えは、一日5脚までと決まっているらしい。コードに常にテンションを掛けなければならない作業は、確かに重労働だし、集中力も必要だろう。僕には一脚さえ満足にできる自信はない(当たり前か)。
「コードを張り替えると、フレームの部分の汚れが目立ってしまうでしょう」と、フレームの手入れの仕方も教えてくれた。
この椅子の仕上げにはいくつかあって、ソープフィニッシュと、オイルフィニッシュが代表的(塗装もある)。ソープフィニッシュは文字通り、石鹸で仕上げたもの。石鹸液の油分を利用した仕上げ方法だ。
手入れもこの原理で、石鹸(純石鹸)液で汚れをごしごし洗い(食器洗いスポンジのたわしっぽい方とかで)、乾いた布で石鹸液を拭き取る。石鹸の油分を残すため、濯いではいけない。仕上げに#400のサンドペーパーで軽くこすって仕上げる。オイルフィニッシュの場合はさらにオイルを塗り込む。簡単だ。
カール・ハンセンでは、コードの張り替えだけでなく、アームが折れてしまった場合などの修理もやってくれるらしい。YチェアがYチェアと呼ばれるゆえんであるYの時の部分は、ホゾの加工を単純にするために考案されたナイスなアイデアである。そのおかげでコストを抑えられ、修理にも手間がかからないのだろう。まさに一生使える椅子というわけだ。
ちなみにコードの張り替えは\18,000-。黒いコードだと、コードの滑りが悪く、時間もかかるのでもう少し高い。フレームの洗浄は請け負っていないらしいので、コード張り替えの際にコードを自分で切って、全体的に手入れをしてから張り替えてもらうと良い。
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- Auther
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