• Feb
  • 12
  • 2006

2006多摩美術大学上野毛デザイン展/井口弘史、セキユリヲ、黒田潔、ムーグ山本、佐藤直樹トークショウ

2006多摩美術大学上野毛デザイン展
我が母校、タマ二部(現・造形表現学部)の卒制・3年修了制作展覧会。知っている後輩がいたのもあって、行ってきた。

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なかなか面白かったのは、永田さんの作品「フキダシステム」(http://www.voiceblog.jp/gomax555/)。

まず名前が良い。そしてパフォーマンスがこなれていて面白い。この作品は、音声認識システム、超音波タグロケーションシステムといった技術(技術協力:NEC)を使って、発した声を吹き出しやグラフィックとしてビジュアル化しさらに操作するというもの。

自分もマイクを借りて体験したが、自分の発した単語が、プロジェクションされた画面にビジュアル化されるのは想像以上に面白い。誤認識も多々あるが、「ヌード」など意外な単語が突如現れるのは、展覧会という特殊な場にあって楽しめた。まだまだ完成度は学生の域を出ていないが、アイデアやプレゼンテーションには感心させられるものがあった。


同時開催されていたイベント「TAMAVISUALIVE」中の特別講演、井口弘史、セキユリヲ黒田潔ムーグ山本佐藤直樹によるトークショウ。

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鏡張りの教室で、予備校のデッサンの授業を思わせる、静物を囲んだイーゼルの前で、デッサンをしながらトークというなかなかの趣向。テーマは「デザインを考えない」だそうだ。主催者によれば、「考え尽くされたきれいなデザインより、街の看板や商店街のチラシに感じる魅力を読み解きたい」みたいなコトだそうだ。

トークは、佐藤直樹氏の「『邪悪』が気になっている」という投げかけを、ムーグ山本氏が軽く否定する形で独特の盛り上がりを見せた。印象としてはムーグ山本氏の独特の語り口に場が飲まれた形でトークショウは進んだ。佐藤直樹氏の「ネガな要素をデザインに取り入れることで魅力的な作品はできないか」という意見に、ムーグ山本氏が「ネガな作品を作っているヤツに限ってものすごいポジティブだ」という、一見かみ合っているようで微妙にずれた掛け合いが面白かった。

ムーグ山本氏はさらに、職人的デザイナーと、作家的デザイナーがいると前置きした上で、「もし、佐藤可士和みたいに作ってくれとクライアントから言われたらどうする」というような質問を参加者に投げかけた。

セキユリヲさんは「できないので断ります」。黒田潔氏は「まだ独立して間もないし、自分と違うテイストになってしまってもやります」。井口弘史氏は「一度はクライアントにぶつかってみる」と、おかげで今は自分に合う仕事しかこなくなったそう。佐藤氏は「やる」と言ってた気がしますw。ムーグ山本氏本人はというと「お金欲しいからやるよ」(笑)「とは言え、自分のテイストはかならずどこかに入るから、次の時にそのちょっぴりの自分のテイストを広げる形で提案すると、案外すんなり受け入れられる」と、いかにクライアントとの信頼関係が大事かという話に自然と持って行っていて感心した。

先も言ったようにムーグ山本氏に飲まれた場だったけれど、終始ふざけた調子のムーグ山本氏が、天然的に良い話をするのがとても印象に残った。外に向けたポーズとしてあるキャラクター、それこそ「邪悪」なキャラクターを見せていても、本当の良い仕事をする人は実はとても真面目で、紳士的で人間的魅力にあふれている。このトークショウを総括するとすれば、そういうことになるだろう。

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